第3回働く子供・青少年世界大会(2006年開催:於イタリア) 元MOLACNATs代表者 ジャシー・オレさんにインタビュー(橙色がジャシー・オレさん) ――働く子供世界運動を構成しているのはどんな人たちですか? この世界運動はアジア、アフリカ、ラテン・アメリカの3つの大陸に存在する働く子供たちの運動体により構成されています。ラテン・アメリカではMOLACNATs、ラテン・アメリカ及びカリブ海地域働く子供・青少年運動。アフリカはM-JET、アフリカの働く若者、青少年による運動体。アジアでも働く子供の運動体が存在するのですが、言語の違いから来るコミュニケーションの問題により、運動は各国レベルでの活動に留まっており、まだアジア大陸としての運動体名はありません。 ――どれくらいの働く子供達がこの集会に参加しましたか? NATsやコラボラドーレス、そして代表者を合わせてだいたい90名の参加者がいました。 ――集会ではどのような活動が行われましたか?」 今回の世界大会では新しいテーマを扱わず、2004年4月にドイツのベルリンで開かれた第2回世界大会で扱われたテーマ、当時時間が足りず結論に至らなかったテーマを再度取り上げました。イタリアで開催された当大会では、働く子供世界運動の組織としてのビジョンとミッションの決定や、活動プランや組織図の作成、または、コーディネーションチームの発足などに、多くの時間を費やしました。第1回と第2回の大会では、3大陸という規模の大きさから生じる、各代表者による意見や社会背景の相違により、世界運動を結成するまでには至らなかったのですが、今回の第3回大会において、働く子供達による世界運動が正式に誕生することとなり、3大陸が共に力を合わせて活動を展開していくこと、大陸間で連携の取れたコミュニケーションをとることなどが取り決められました。 ――イタリアでの集会は、全大会での未解決案件についての議論を進め、世界運動を具体化するのに役立ったというわけですね?」 その通りです。私たちは約1ヶ月間イタリアに滞在し、うち3週間は世界運動の組織作りに専念し、残りの1週間は各グループに分かれ、イタリアのいくつかの街を訪れ、市町村や学校との交流を深めるために費やしました。そして、交流の場において、世界運動の存在と作成された宣言文の流布にも努めました。 ――ジャシーさんはどうやって世界大会に出席することになったのですか? 世界大会に参加できる代表者は各大陸で8名という通達がありました。現在、ラテン・アメリカの働く子供の運動体に加盟している国は8カ国ですから、各国から一名ずつを選出するということで合意しました。その中で、ナソップ運動は代表として私を選出したために、第2回世界大会に参加できたわけです。 ――世界大会ではどのようなコミュニケーション手段をとったのですか? 大会の中での困難のひとつは言葉でした。ラテン・アメリカでは、主にスペイン語を話しますし、アフリカでは主に英語、フランス語を公用語においている国が多いのですが、アジアでは各国それぞれに違う言語を持っています。したがって、アジアの子供にはそれぞれに通訳の同伴を必要としました。さらに、随行した通訳が運動体のメンバーではないため、運動を理解せず、正しく通訳されなかったことが、私達のコミュニケーションをさらに困難にしました。 ――各大陸の運動体はそれぞれどのような特徴を持っていますか? アジアでは、国単位の活動は非常に活発なのですが、大陸レベルでは、コミュニケーションの問題により共同で活動を行うことができません。一方、アフリカの運動体は各国間の連帯が強まっており、昨年の7月にはアフリカ大会が行われました。彼らはILO(国際労働機構)と共に活動していますが、児童労働の撲滅に向かった活動を展開している訳ではありません。 ――世界大会の共通目標は何ですか? 3年毎に1度の頻度で世界大会を開催すること、各大陸2名の選出者からなる計6名の代表者でチームを構成することが、今回の世界大会において決定されました。この代表者チームは2年毎に集まり、世界大会開催に向けた準備を行います。世界運動には事務局が存在せず、大会はドイツのPRONATsとイタリアのITALIANATsの援助により開催されます。次回の世界大会はアフリカでの開催を予定しており、まだどこの国で行うかは決まっていませんが、代表者チームによる大会開催に向けた会議がラテン・アメリカで行われる予定です。