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INFANT - Instituto de formacion de adolescentes y ninos trabajadores/as - nagayama norio

働く子供・青少年のための育成機関 − 永山則夫 〔創立 : 1999年〕


1) 団体の沿革

1.ナソップ運動の要請により生まれた
INFANT-NAGAYAMA NORIO

1998年に開催された、第2回ラテン・アメリカ及びカリブ海地域の働く子供運動における、各国の代表委員による会合の場において、NATsに対する体系的な教育を確立していく必要性が認識されました。会合後の1999年、ナソップ運動は、NATsの教育に対するニーズに呼応する機関としてINFANT-NAGAYAMA NORIOの設立を要請し、同機関が発足するに至りました。

会議の様子(セルバにて) INFANT-NAGAYAMA NORIOにとっての設立後最初の課題は、NATsに必要とされる教育とは何であるかを分析することでした。この分析は、同時にINFANTの教育に対する提案を生み出し、設立後、現在に至るまでの活動の基盤となっています。

INFANT-NAGAYAMA NORIOは、NATsが展開する全国運動のサポートと彼らに対する教育の場の提供を活動の中心に置いています。

INFANT-NAGAYAMA NORIOは、世界の子供全般、特に働く子供たちの持つ独自性や文化を十分考慮にいれた教育活動を実践することによって、NATsに限らない子供組織のメンバーや組織の責任者達の能力を開発することにより、彼らが子供の意見を代表する者として、社会や国家と対等な立場で交渉できように努めています。

2.設立以来の目標と目的

働く子供の運動体がその設立以来掲げてきた目標と目的に応えることは、INFANT-NAGAYAMA NORIOの使命でもあります。

プロタゴニスモの実践:全て子供たちが、個人の生活の場において、または集団生活の場においても、人の主体として自立、またはその自立が尊重されること。
・社会全ての側面において、平等、公正さ、そして相互理解が実現されるよう努力を惜しまないこと。
・全てのペルーの子供たち、特にNATsの権利を擁護し、発展させること。

3.働く子供に限らない児童へのサポート

INFANT-NAGAYAMA NORIOは、NATs(働く子供・青少年)に限らず、以下の子供たちのニーズに応じたプログラムの展開や、プロタゴニスモに基づいた社会参画をサポートしています。

・路上で生活を強いられている子供たち、性的に搾取されている子供たち
・学童市議会とCODEMEs(学童市議会の代表者委員会)
・0歳から8歳までの乳幼児及び児童
・路上売春により性的搾取を受けている女性、または家事使用人として働いている女性の娘たち


2) 機関としてのビジョン、ミッション、目的、活動範囲など

1.ビジョン

山岳地帯での集会 INFANT-NAGAYAMA NORIOは、特に、子供達が、自身の社会的、政治的、経済的、道徳的、文化的権利の社会的責任を担った上での行使において、組織という形で主体的に参加できるよう、彼らに対する教育機会の提供を通して貢献します。


2.ミッション

INFANT-NAGAYAMA NORIOは、子供の持つ独自性や文化を考慮に入れた教育を実践することにより、子供達の責任感の強化や、国や社会との対話能力の強化、または彼らが社会的、経済的、文化的、道徳的、政治的な場面でプロタゴニスモを実践できるよう、子供達による組織の代表者やメンバーである彼らの能力の向上に寄与します。


3.活動目的

・活動の場として、または活動のプロセスとしての組織を通してNATsの教育に寄与すること
・NATsの組織のみならず、社会レベル、特に大衆層の子供達に対してもその効果が及ぶような活動を模索すること
・プロタゴニスモの実践、平等な社会の構築に向けた努力、ペルーの全ての子供、特に働く子供の権利とその擁護など、ナソップ運動が設立当初から掲げている目標や目的に呼応した活動を展開すること:


4.活動対象:

・ナソップ運動:
グループワーク発表の様子 NATsやナソップ運動に対する側面的支援

・社会的偏見を被った子供達:
権利を守られていない子供達、もしくは権利を傷つけられた子供達、たとえば性的搾取の犠牲となった子供達、家事使用人として働く子供、8歳以下の子供、路上生活の子供や青少年など


5.活動方針:

・子供の権利の擁護と促進

子供の権利条約について、遊びを交えた学習の機会を提供する。人形を使ったお芝居や、劇、テーブルゲームなどといった、連帯と責任をテーマにした教育的な内容を盛り込んだ遊びを通して、子供の権利条約の内容を学ぶ機会を提供する。

・組織の強化

社会的に疎外された子供達や働いている子供達に、自らが直面する問題を掘り下げる機会を提供することにより、自らの意見を社会させる力を培う。そして、彼らの社会参画や組織としての存在を視覚化し、彼らの権利が尊重される社会を目指した活動を展開するために、彼と行動を共にし、必要に応じて助言を加える。

・保健衛生面の向上

働く子供、もしくは社会から疎外された層の人々に対して、クリエイティブかつインタラクティブな方法で、衛生や結核、栄養摂取などの健康問題をテーマとした講習を行う。その中でも、エイズの感染予防をテーマとした講習は際立った効果をあげている。

・ふさわしい仕事を身に着けるための技能訓練

経済、会計、経営、マーケティングなどをテーマとした講習会の実施。これらの講習会は、実践を交えた形で取り組まれ、子供達がビジネスの能力を伸ばすことを可能にする。この方針に基づいた活動は、職業訓練の一環として、公立の学校、またはNATsの各組織において展開されている。


3) 組織図、スタッフ

〔執行部〕 エステル・ディアス
〔秘書〕 ジャシー・ジュサラ・オレ・パイマ※
〔運営・経理〕 ジーナ・ナルバエス

〔Inclusionプロジェクト=ナソップ運動強化チーム〕
プロジェクトリーダー:ドーラ・バルダレス

スタッフ:
ニミア・モラン※
ジャクリネ・ベナヴェンテ
サラ・ヤケリン・チャヴァリ・ロメロ
デスクレエ・マクアド
オルランド・マチャレ※
リサンドロ・カセレス・ゲヴァラ※
サディス・サルミエント
イオアニス・パディジャ※
ジェセニア・ワマンニャウイ・レオン※
ダニエル・サンガマ※
マガリ・キスペ・ソト※

〔Kullakoq Warmaプロジェクト=社会の偏見を被った子供達を扱うチーム〕
プロジェクトリーダー:マルセラ・メンドーサ

スタッフ:
デイシー・ロドリゲス
ペルシー・ピント・アヴィラ
ラケル・メルカド※
アルフレド・ペルシコ
ハビエル・ウルビナ
ハコバ・アパルカナ
ミルドレ・ソト

※印はナソップ運動及びMANTHOC全国代表OB・OG


4) プログラム/現在実行中のプロジェクトとその財源

“BECANATs” 「NATs奨学金制度」
働く子供たちの勉学支援に向けられた奨学金制度 −永山則夫基金より

現在まで計22名のNATs(特に元全国代表者)がこの奨学金を受けています。それぞれの学業により期間が1年から5年までと異なりますが、月あたり一律34ドルを受け取り、学費として支払っています。22名のうち7名がすでに学業を終えています。この奨学金は学校を卒業し、働き始めた時に「次のNATsのため」返済していくという約束になっています。しかし、現状として、就職先での賃金が低いために返済が思うよういかないといったケースが発生しています。この現状を考慮し、今後は各自に無理の無い返済プログラムを組んでいく予定です。

BECANATsで勉強を続ける奨学生たち情報処理専門学校にて勉強するイオアニスさん


“Kullakoq Warma” 「(愛らしい子供たちの意)プロジェクト」

家事使用人として働く子供や、リマ・コノスール地区※の売春による性的搾取の犠牲者である息子や娘達に対する活動 −Bernard Van Leer財団より
※(リマの南地区=サン・フアン・デ・ミラフローレス、ビジャ・マリア、ルリン、パチャカマックの各地区を含めた総称)


権利の観点から、ペルーの公共政策において、NATsの声と活動が反映される社会、または彼らのプロタゴニスモが充分に発揮される社会を目指した取り組み
−Castilla la Mancha市役所(Save the Children Espanaを介して)


性的搾取の犠牲者になった若者、またはその危険にある若者たちに対するサポート
−イタリア外務省(CESVI-Cooperazione e Sviluppoを介して)


小さな企業家(経営者)としてのNATsやコラボラドーレスの育成
−Kinder Not Hilfe(KNH)より


5) MNNATSOP OBと Colaboradores の関係

現在、INFANT-NAGAYAMA NORIOでは、元ナソップ運動の全国代表者9名(18歳〜28歳)がスタッフの一員として働いています。これは、INFANTのスタッフ全体の約半数を占めることになります。彼らの多くは、自らが持つ将来のビジョンに向かって大学や専門学校などで学業を重ねながら、INFANTで働いています。彼らは、ナソップ運動の全国代表として大役を努めた人々であり、国内の会議はもちろんのこと、国際レベルでの子供に関する会議やフォーラムにも数多く出席してきました。そのため、彼らは、運動で学んだ経験を後輩たちに引き継ぐことのできる存在として、とても有用な役割を果たしています。
その他のスタッフは児童に関する専門家達(心理学者、芸術家、社会学者、ソーシャルワーカーなど)で構成されています。また、プロジェクトの内容に応じ、必要な人材と短期契約を交わすことにより、目標の達成に向けたより効果的な活動を可能にしています。

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