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フアン先生のインタビュー

アレハンドロ・クシャノビッチ学校代表、フアン・エレーラ(35歳)

フアン先生 現在40人の子供が学んでいるが、現在校舎の建築を申請中のため、空き家を借りて教室にしている。フアン夫婦とイタリア人ボランティア2名で運営。 パウロフレイレの教育理論、働く子供たちのニーズにあった教育カリキュラムに基づいたプログラムが組まれている。
『ここに通う子供たちの多くは働いています。職種は様々で、飴を売りあるいたり、車を磨いたり、パン屋やフルーツを売ったり、バスに乗り込んで歌を歌ったり。もちろん家庭内の母親の仕事、掃除や食事の準備、洗濯なども手伝います。家庭内での仕事は常に軽視されがちですが、これも立派な仕事です。

子供達の家庭環境は非常に不安定です。極端な場合には、一日2ソーレスほどの食費しかない家族もいます。大体の家庭がインフォーマルな仕事に従事していて、日雇い労働や小さな屋台で商い、洗濯婦や物売りなどをしてなんとか生計を立てています。15歳前後で子供を産んでしまう女の子も沢山いて、男が無責任なこともあり、とても多くの母子家庭が存在します。あと家庭内暴力や、家族の生活費を顧みずにアルコールに走る夫など問題はたえません。」

休憩時間にアイスを食べる子どもたち:友達にアイスを分けてあげてる?フアン夫婦自身も働きながら子供時代を過ごし、少しでも母親や父親の助けになれればと、親に押し付けられたからではなく、自らの意思で働いてきた。たとえ僅かな稼ぎでも、そのお金で自分たちの学用品を揃えることができ、少しでも質の高い食事を取れることは、フアン自身にとっても喜びであった。

「子供たちが働くなんてとんでもない、子供は学校で勉強するものだという人達がいますが、逆に私はその人達になぜ子供たちが働いてはいけないのかと質問してみたいです。ペルーの多くの子供たちは、学校にだけ通っていればすむような<夢のような世界>に住んでいません。働かなければ学校にいけないという現実がある、働かなければ食べることもできないという現実があるのです。

もしも、この学校がなかったら、さまざまな事情で学校に通えない子がほとんどでしょう。

ペルーの初等、中等教育は形の上では無料ということになっていますが、登録料として年間に20ソーレス程を徴収したり、教科書代、文房具、交通費などが現金でかかり、日々十分な食事をとることもままならないような家庭にとっては経済的に大きな負担です。
幼稚園部に通う女の子 家庭の経済状況が厳しい子供たちは、授業が終わると働きに出るケースも多いですから、宿題をみんなと同じようにこなして翌日学校に向かうことが難しい場合もあります。それぞれの生徒の家庭環境を考慮して、その子の事情に応じた教育の機会を提供している学校などほとんどありませんから、授業についていけない子供は学年末の試験で不合格になると、進級できずに同じ学年をもう一度繰り返すことになります。そうすると、ますます学校へ通う気をなくしますよね。」
(1ソル= 32円 2009年4月)



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